アスベスト(石綿)について

住まいのこと

先日、国とメーカーに、アスベスト(石綿)被害に対する賠償責任が認定されました。そもそも、何が問題となっているのでしょうか?アスベストとは、どんなものなのでしょうか?一緒に見ていきましょう。

アスベストとは

アスベスト(石綿)は、天然にできた鉱物繊維で「せきめん」「いしわた」とも呼ばれています。

極めて細い繊維で、熱、摩擦、酸やアルカリにも強く、丈夫で変化しにくいという特性を持っていることから、建材(吹き付け材、保温・断熱材、スレート材など)、摩擦材(自動車のブレーキライニングやブレーキパッドなど)、シール断熱材(石綿紡織品、ガスケットなど)といった様々な工業製品に使用されてきました。

私達の世代では、小学校の理科の実験で、アルコールランプでビーカーを熱する際に、間に敷いた綿の金網のようなもの、あれが石綿だそうです。

懐かしいですね。石綿の断熱性を利用しています。

アスベストの利点

熱に強い、摩擦に強い、酸やアルカリにも強く、変形しにくいという絶対的な性質があり、しかも安価であるということで多方面に使われて、重宝されていました。特に住宅建材では、ボードなどの成型板に組み込まれて、断熱に特に力を発揮していたようです。

アスベストの欠点

そのまま、使っていれば何の問題もないようですが、例えば、住宅建材のボードであれば、おうちを建て替えする場合に、解体しますがそのときに、成型板に組み込まれていたアスベストが粉塵となって、人体の中に入って、病気になります。その性質上、細かな繊維でできておりますので、体の中で分解されず、外に出ないことが悪影響を及ぼします。

そのため、解体現場などの建設作業員の方が、アスベストを吸って、病気になっています。

どのような病気になるのか?

中皮腫や肺がんを発症します。細かな繊維が、何年にも渡って、体の中で蓄積されて、発症するので、徐々に体を蝕んでいきます。恐ろしいですね。

悪性中皮腫

肺、心臓、および胃腸・肝臓などの臓器は、それぞれ、胸膜・心膜・腹膜という膜に覆われています。

胸膜・腹膜は図のように二重膜を形成し、袋状に閉じた空間を形成しています。これらの膜の表面は「中皮細胞」で覆われており、この中皮細胞ががん化することで中皮腫となります。アスベストを吸入すると、気管を通って肺、および胸膜に突き刺さり、長い年月を経て悪性胸膜中皮腫を発症しやすくなります。

肺がん

アスベストにさらされた中皮細胞は、その遺伝子に変異が蓄積し、やがてがん細胞へと変貌していきます。悪性中皮腫細胞の遺伝子を調べると、がんを抑える働きを持つ遺伝子(がん抑制遺伝子)に変異が多く見られることがわかってきました。これらの変異は、がん抑制遺伝子の情報をもとに作られるはずのタンパク質を作れれなくしたり、タンパク質の機能を失わせたりして、正常細胞をがん化させます。

裁判で争われていること

国や、メーカーは遅くとも1960年代には、アスベストの有害性を把握していたのに、防じんマスクの着用指示や製品への警告表示を怠ったというのが、原告の主張です。これに対して、裁判所は、労働者に国とメーカーによる責任を認め、賠償責任を命じています。

現在の対策

当然、現在では、アスベストを使用することはできませんが、石綿(アスベスト)および石綿製品は、2006年(平成18年)9月1日より製造、輸入、譲渡、提供、使用が禁止されました。結構、最近まで使われていたことに、驚きを感じますが、以下のように段階的に禁止されてきたようです。

  • ・1975年(昭和50年)10月1日:5重量%を超える石綿の吹付け原則禁止
  • ・1995年(平成7年)4月1日 :1重量%を超える石綿の吹付け原則禁止
  • ・2004年(平成16年)10月1日:1重量%を超える石綿含有建材、摩擦材、接着剤等、10品目の禁止
  • ・2006年(平成18年)9月1日:0.1重量%を超える石綿含有製品の禁止

住宅建材は、平成16年に全面的に使用禁止となっております。それでも結構最近なんですね。

ですので、アスベストを含有する建物はたくさん存在します。粉塵にならなければ、特に健康被害はありません。ですので、建物を解体する場合には、調査が必要ですし、もし含有していることが判明すれば、周りに飛び散らないようにしっかりと建物を被覆して、解体作業することが必要です。その場合、通常の解体費よりも、高額になるケースがほとんどですので、注意が必要ですね。

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